便と混ざっていない鮮血が出た場合は、痔出血の場合が多いのですが、直腸からの出血の可能性も捨てきれません。
日本人は3人に1人が痔の疾患をもっています。
ということは、痔疾患の方は直腸がんの可能性がないとは言い切れないのです。
痔があって、便の表面に血液が付着しているときに「これは、痔!」と決め付けることは、非常に危険です。
そのようなときは、必ず医師の診察を受け、直腸及び大腸の検査を受けることをお勧めします。
これ以外にも特徴のある痛みをご紹介しましょう。
・大腸ポリープによる痛み
これらの疾患が原因で腹痛の症状が出ることはまれですが、症状がないと思っていると早期発見ができません。早めの発見、治療するためにも、定期的に大腸検査を受けましょう。
・大腸憩室(けいしつ)による痛み
左下(S状結腸)にできた憩室は、しばしば痛みの原因となります。
これはおへその左下が痛むのが特徴です。
悪化した場合(憩室炎)は、手術して治療する必要があります。
・虚血性大腸炎(きょけつせいだいちょうえん)による痛み
おへその左下が突然激しく痛み出し、下血があればこの疾患を疑います。
他にも大腸由来が原因の痛みも多数ありますが、早期発見、治療のために、まずはご自分の身を守るためにも、不快な痛みや異常な感じがあれば、早めに医師の診察を受けてください。
腸の準備が整ったら、肛門から大腸カメラをゆっくりと挿入します。
検査中にポリープが見つかれば、そのまま切除します。大腸がんの元であるポリープを切除してしまえば、がんになってから開腹手術する必要もなくなるわけです。
ただし、切除した場合は出血の恐れがありますので、当院では1泊入院をお勧めしています。
ポリープを切除した方は、ある程度の期間が経過した後、再度大腸検査をお勧めしています。ポリープができやすい体質というものがあり、ポリープを切除してもまたできている可能性があるためです。